えび座2016のこと。

初日にパンフの出演Jr.一覧の画像が回ってきてそれを目にした瞬間から、何かいやな予感はしていたんです。結論としていやな予感は半分当たって半分外れました。この場合は外れた方がもちろん良くて、その外されっぷりは思っていた以上のもので何かと言うとひろちゃん好き好き大好きすっごいぞ毎秒褒めたい!!!でしかなかったです。じゃあ残りの半分は。
友達(の、友達)の「好きは叫べ嫌いは黙れ」は金言でしかなくてそうでいたい、そうでいないと私はだめだ絶対にだめな方にものすごい勢いで行ってしまうと思っててわかってて、だけどやっぱり残しておきたい、のは、何ででしょうね。
信じたいから、きっとこの思いも絶対に正しく過去にできると。とんでもなく自分勝手だとわかっていてそれでも。
実際に観た公演は10月8日マチソワ、9日マチソワ、10日マチネです。5公演連続して観たら腰いわした。

パンフP.34「出演Jr.一覧」の情報から自分がこの目で見る直前まで

明らかにあからさまにトラジャの中で一人名前の系統が違っていたしデジタルボーイズなる表記が存在することとひろちゃんの役名が「バーの店員・佐久間」であることから、ああ、このどうやら数字的な役名をもらっている子たちがデジタルボーイズでひろちゃんはそこには入ってないんだってわかった。そして「バーの」って付くことから劇中での出番がかなり限られるのだろうなってことが想像できて、そして何よりもそのデジタルボーイズには彼らのための曲があることもわかって、ちょっとまあ、控えめに言ってこれは全く期待できない…といっそ笑えました。いや全然笑えなかった。配役に関してはいろんな要因があるとはわかっていて、正直今となってはデジボにインしてほしかったとはもう思っていないのだけど、だけどねえ、めちゃくちゃかっこいいと称賛されるダンスに江田くんとひろちゃんだけ参加してないと言う事実には打ちひしがれた。見たいじゃん、自担のかっこいいダンス。見たくないわけがないじゃん。そしてここまでくると八つ当たりだってわかっているけどデジボの説明として「トラジャ−拡輝」も「拡輝アウト(ついでにやまりょイン)」も「拡輝除く」もどれもこれも寂しいやら悲しいやら悔しいやらで、わかった、もういい、と、自分の目で見てない段階では何もわからないし何一つ良くはないのだけど、でもまあそんなことを思ってトゲトゲしていました。控えている現場がまったく楽しみじゃなくなったのは少なくともひろちゃんに関して言えば初めてでした。

でもまあこの目で観ました

ひろちゃんが演じるのは五関くん演じる桂馬さんの行きつけの中野のアジアンバー「チェリー・ムーン」のバーテン佐久間くん。チェリームーンて。台詞から察するに「最近バイトで入った」佐久間くん、最近バイトで入ったわりには江田くん演じるマスター・加藤さんとの距離間とか、桂馬さんに「さっくん」って呼ばれていることや、会話にもかなり参加していることから人懐こくてお店にも馴染んでて常連さんにも可愛がられていることがわかります。だって可愛いもん。バーの椅子をピシッ、ピシッと揃えて腕を伸ばしてまで列の乱れが無いか確認する佐久間くん、布巾を丁寧に畳む佐久間くん、カウンターやテーブルをゆっくり、しかしきっちりきっちりと拭く佐久間くん、スッ、と立ったその姿勢も所作もきれいな佐久間くん、店内の空気やお客さんの動向にアンテナを張っていそうな佐久間くん。さっ、、さく、佐久間くん本当にすばらしいのだけど!?!?!?これはもう、経験が活きたのもかなりあると思うけど、ひろきくんの「ちゃんと役としてそこにいる」佇まい、目線、表情の緩急がとても良くて、私は一幕のひろきくんの佐久間くんを観たときあまりにもうれしくて驚きました。知っていた、知っていたけどひろちゃんがいつだっていろんなものを越えてぽーんと正解をくれることなんて。知っていたけど、でも、まさかこんなにあっという間に!?ってね、本当にうれしかった。

加藤さんと佐久間くん

基本中の基本はやさしくてドジっ子なマスターと頼りがいはあるけどちょっと気まぐれなバーテン(顔かっこいい)なのかな、と言う感じ。桂馬と栗田の小学生時代の対局の再現シーン、将棋BANG!で将棋の駒として出てきた多分トラジャの人たち(誰がいて誰がいないのかわかんない)が出て踊るのだけど、一瞬だけ、加藤さんと佐久間くんもその後ろでダンスとも言えないちょっとした動きに加わるんですね。その時の表情が〜〜〜良い!決して駒の役割を与えられていないから二人はあくまでも傍観者で、ちゃんと加藤さんと佐久間くんを演じながらそこに加わっているんですね。その時のちょっとびっくりしたようなおどけたような表情がかわいくて…!ずらっと並んだ駒の人数を数えていらっしゃいませーってする佐久間くんかわいい、対局が激しさを増してくると誰かが(誰かはわかんなry)くるくるーってアクロするのだけどそれを見て「わーっ!」って笑顔で拍手する佐久間くんかわいい、でも更に激しくなった流れの中でやばいかな、って周りを見渡したり、加藤さんがテーブルの下に隠れたら置いてあったグラスやコースターを回収して、出てきた加藤さんを後ろに腕で庇いながらカウンターへ移動する佐久間くん超かっこいい。毎回じゃないけど、わりと放任な時もあるけど佐久間くんは加藤さんをきっちり守るよくできたバイトだから…!10日のマチネとか加藤さんを先にカウンターへ逃した後、加藤さん佐久間くんの背中に隠れて対局見守ってたからね!ひ、ひろちゃん、の、背中がリアルに広いことを教えてありがとうな江田くんこの野郎…!それはともかく、一幕最後にちぇんじゆあまいん♪の音楽に合わせて江田ひろも出てくるのだけどセット上で二人でポーズ取っているのが毎回かわいくてかわいくて…江田ひろしか、かとさくしか…二幕のチェリームーンでトイレからなかなか出て来ない桂馬さんを心配して「大丈夫かなあ、最近思い詰めた顔して怖いんですよ」って訴える佐久間くんを、対局も近いからって宥める加藤さん、と思いきや桂馬さんがトイレから出て来たから手で加藤さんが喋るのをさっと制する佐久間くん、って言うこの何とも言えない二人の空気感がすごく好きで、きちんとお芝居している感じがとても見ていて楽しい。桂馬さんが応援屋に合流する、って決めた時に加藤さんと佐久間くんはすごくやさしい顔して微笑んで頷いていて、二人でちょっとだけ顔を見合わせて拳をグッ、ってするんですよ。ああ言う表情から、二人の動作の合わせ方から、二人が桂馬さんを心配していたこととか桂馬さんとチェリームーンと言うお店や二人との交流とか、マスターとアルバイトな二人が良い関係を築いていることとかお店の雰囲気とかいろんなことを感じられて、私が勝手に感じているだけだけど笑、貪欲に演じているひろちゃんが(江田くんもね!)大好きだなあと思うのでした。それはもう、心から。

からの殺陣

途中から出てくるんだけどねひろちゃんは。そして何の駒なのかむしろちゃんと駒を割り振られているのかわからないけど、出て来てやや下手側で少し腰を落として刀を構えているあの美しさ、美しい姿勢と温度の下がった瞳、ステージを蹴って斬りかかる時の速さ、ただ斬るためにいる、そんな冷徹ささえ感じさせるひろちゃんの表現力がたまらなくて息を呑んだ。殺陣の技術そものは、やっぱりぜいめどはさすがだなあと思ってひろちゃんは着地と言うか留めで少し流れる時があって。だけど、だからこそ、もっともっとたくさん見たい、これからまたこんな場面を見られたらうれしいなあと思いました。そしてDeliciousのひろちゃん控えめに言って最高にエロい…踊りながらあんっなに陰のエネルギーをじわじわと出して広げていくようなひろちゃん、実はすごく新しいものを見た気がする…。今まで陽ばかりだったわけじゃないけど、静かなときもどこか凛として真っ直ぐなものを感じていたけどDeliciousのひろちゃんは何かぬるっと殺してきそうで、ああそうか、演じているからだってわかって胸がいっぱいになった。あと五百回くらい見たい。

声がよく通る

二幕最後のサポーターズのひろちゃんのこと。結構な下手に入ったときに「えー!」「びー!」「しー!」「からのずぃー!!」のひろちゃんの声がすごくはっきり聞こえて口を逆三角形にして上体を反らして全力で声張ってるひろちゃんがあまりにもかわいくて愛しくて、めっちゃ声通るのがおもしろくてかっこよくて、バーテンの衣装の長い腰エプロンしたままなのは踊りにくそうだけどかっこいいし、何だろう脚本演出の全ての「…」を(歯に衣)あのエンディングで清算されそうになる感じ…笑。音楽が良いってすばらしい。

解き放たれたシーサー

ショータイムのひろちゃんのこと。そん、、、っっっなに楽しいか!!!って目頭が熱くなった。泣いてはいないけど。ムーンライトウォーカーのひろちゃんの足の動きが滑らかの最高峰で最高に好きです、ショータイムのひろちゃん全部好き、大好き!踊るひろちゃんはあまりにも正解で、もう言葉なんて必要なくて、うそうそ、世界中のすばらしい言葉を全て集めて彩りたい、でもできない。ひろちゃんが本当に楽しそうに踊るもんだからとにかくうれしかった。大河くんものぶきくんもととちゃんも(ととちゃんって呼び方がすごくかわいくて好きで真似してしまう)ひろちゃんにやさしくしてくれてありがとう…多分いなぴも…。

この目で観たからこそ

佐久間くんを演じるひろちゃんも、佐久間くんも大好きで、そこで力を発揮しているひろちゃんのことをすごいなって、うれしいなって、今までの経験を活かして、そしてもっと進化させているって信じられた。同時にあんなに腹を立てたけどひろちゃんはまさに「トラジャ−拡輝」「拡輝アウト(ついでにやまりょイン)」「拡輝除く」で、ショータイムがなかったらトラジャのメンバーかどうかわかんないなって思った。デジボのダンスに加わらなかったことが初見ではさすがに悲しかったけど、加わったところでひろちゃんも江田くんもその役はデジボじゃないから絶対に「バック」になってしまう。私はそれでも見たいのかなって思ったときの自分の答えが「じゃあいい」でした。どんな立ち位置でもよりたくさん出ている方がいいのかもしれない、それでも見たいと思う方が正しいのかもしれない。だけどあまりにも悔しかった。名前の位置も、殺陣に遅れて出てくることもTシャツが光っていないことも、Deliciousで小道具係になるから途中で一旦抜けることもその小道具を渡す相手がメンバーであることも、二幕の最後に後列に位置していることも、正直全部が悔しかった寂しかった。

みゅうちゃんとひろちゃんととらびすじゃぱん

10日のマチネ二幕の最後のサポーターズで、ステージ上にいるみゅうちゃんが後ろのセット上にいるひろちゃんを見上げて、きゃはっって笑って、ひろみゅが笑い合いながらクラップしてたんですよ。その時のみゅうちゃんもひろちゃんも本当にかわいくて、ひろちゃんを見て笑うみゅうちゃんの笑顔が全く珍しくない、きっと何度も何度も見たことのある笑顔だったのにあまりにも懐かしくて、上体を少し屈めてみゅうちゃんに笑うひろちゃんも楽しそうで、私そんなめったに泣かないのだけどこれはさすがに泣いた。かわいくてやさしくてとても愛しい一瞬の光景に、胸に少し降り積もっていた重苦しいものが溶けるようで。そしてそのみゅうちゃんの笑顔を見た瞬間に、ああみゅうちゃんはすごいなって。どんな状況でも現場で見ちゃうと納得しかさせてくれないこの子が、随分と先に行った…うん、既にとっくに先を歩いていたこの子がこんな笑顔をひろちゃんに向けたってことに、私はびっくりするくらい救われて、そして誤解を恐れずに言えば今までで一番道が分かれることを強く感じました。この先かけもちがどうなるのか、この状況が続いて行くのか変わるのか、みゅうとくんの選択(できるとして、ね)も事務所の采配もどれも私はよくわからないけど、そこじゃなくてそうじゃなくて、あくまで私の感覚としてもう「一緒」じゃないし今は「並べ」ないんだなって思った。そしてそれでいい、そうなるしかないって思いながら、寂しくはなかった。

横並びだと思っていた仲間が一歩も二歩も先を行っても、変わっても離れても置いて行っても置いて行かれても、それで終わるわけじゃないしそれが関係の全てを決めるわけじゃない。だから何度でも笑い合える。

私にとって最高に大切な大切な舞台「アンダースタディ」で私が感じたことです。自分で自分のそれを引用するキモさは謝るので許してほしい。もちろん今現在何かが動いたわけではないし、しばらく何も変わらないだろうけど。
そしてGWから夏にかけてじわじわと自分の中で熱を保っていたトラジャと言うユニットへの思いが皮肉にも…皮肉かな?笑、このえび座でスッ、とフラットになったことも実感しました。ユニットの魅力を感じられなかった、とは言わないけど、だけどたくさん感じたとは言えなくて、ただただひろちゃんのことが好きでひろちゃんを見ていたいだけだった。あー、やっぱこうなっちゃうか、ごねんね、と、誰にと言われれば、大事にしたくなった自ユニだと言いたくなったトラジャに向けて別に向こうもいらんだろうと言う勝手なごめんねを抱えながら、でもこればかりはねえ、と諦めるしかなかった。寂しくて心細いけどどうしようもないこともあるんだね。



期待をしたくなった、悔しいと思えるだけのものをひろちゃんはずっと見せてくれていたんだって思うとうれしくて、もっともっといろんな景色を見たいとまた更に貪欲に願えました。それはとてもうれしい。今一つ一つ丁寧に取り組んでいるものがまたどこかへ繋がることを願います。そして好き勝手にすっきりした(したのかな笑)ところで、私的えび座第二弾になる次の観劇も楽しみたいなと思ったのでした。絶対に切ると思っていたけど休演日にまんまと散髪を決行したひろちゃんの髪型レポが毎回混沌としていてちょっと怖いんだけど大丈夫かな…笑。