その日を迎えました。ドリアン・グレイの肖像初日おめでとうございました。

8月16日、ずっとずっと待っていたその日を迎えました。

ひろきくんについて、私はきっといや絶対客観的に見ることができなくて、でも、と言うかだからこそ、ひろきくんのジェームズを見た時に自分がどう思うのかとても怖かったのです。ひろちゃんのことは信頼しているさ〜〜〜ウルトラ最高な自担だもん!もん!とか言い出すくらいにはそうだよ〜〜でも今まで、短い期間ではあるけど目をカッ開いて見てきた歌って踊るひろきくんじゃない、ことにとても緊張していました。息を詰めて見ていた世界でぱぁっと出てきたジェームズ、まだ幼く感情的で、シビル姉さんのことが大好きで、シビルを見る瞳はいっそお兄ちゃんかなってくらいやさしいけど口を開けばちょっと甘えていて。何で新しい友達ができたって教えてくれなかったの!ってこの世の終わりみたいなテンションで言うからこれは期待を裏切らないシスコン…!って思ったけど、あんなに可愛らしくてやさしくて無邪気でキラキラしたお姉さんがいたら息をするように自然にシスコンになるよね…。金持ちなんて信用できない、そいつが姉さんのこと悲しませたら許さないって言うジェームズは、癇癪を起さないでって宥められるにぴったりな、まさに癇癪でした。でもシビルが命を絶った後、下手側で十字架を背負いながらドリアンへの復習を誓う時の表情は、もう癇癪ではなく圧倒的な怒りに満ちていて、少年が一気に大人になったようでとても悲しくてでも美しくて。呪いの言葉を言い終えた後、ふ、と何も感情が宿っていないような真っ黒な瞳をした、その表情がとても印象的でした。二幕、阿片窟で寝転がっているその背中のラインは大人になったジムでした…って途中まで自信なかったけど笑、顎に映えた髭、ぼさぼさに伸びた髪の毛には白いものも混じって、瞳には狂気が宿って、そして何よりも声が違った。少し高めの、拗ねたような話し方だった一幕から、地を這うようなずっしりと、でも鋭い声音に。ひろきくん、なのかなって思った。ありきたりな表現だけど、ひろきくんじゃないみたいで、激しい場面であることも影響しているとは思うけど、ぐわっと、掴まれたようで。怒りと狂気に支えられてドリアンを殺そうとして、でも結局叶わなくて、最後「ごめん」って言うジムはまるで子供のように頼りなくて、ああ、悲しいなあって。出番は少なかったけど、私にはどの表情も声も立ち振る舞いもあまりにもうれしかった。そうそう、ひろちゃん喋っている時は口を閉じ切らない、ちょっと甘噛みする感じの喋り方だけど、声もよく通って聞き取りやすくて、それもすごくうれしかった。ああ、とてもうれしかったよ。
優馬くんは、今の優馬くんのために役、と言えるくらいハマリ役だった。純粋な少年から堕落した青年へ、静かだけど確かな振り幅があって、何だろう嫌な子に見えないのがまた怖かった。ずっと美しくて、ずっときれい。偉そうな言い方になってしまうけど、どんどん良くなると思う。楽しみ!
徳山さんはとてもすてきな役者さんだった。声が良くて長台詞が無理なく、軽妙に、見た目はそんなに変わらないけど二幕の年を取ったんだなって感じはすごかった。この人のヘンリーもまた憎めない。
舞羽さんは美しくて品があって、その演技に惹きつけられた。ジムがずっとその心の真ん中に置きいっそ囚われていたのが納得できるくらい魅力溢れる人。原作で読んだら若干足りてないのでは、と思ったシビルが舞羽さんが演じるととても愛せる、同時に悲しい女性になるなあと思った。
金さんはブログを拝見するとかなり個性的な方かと思ったけど、ああすごくバジルだって、一番原作に近いのはこの方かもしれないなあと思った。カテコでひろちゃんを気にかけてくださっててうれしかった。。妖怪過保護婆さんですみません。

カーテンコール、6名の役者さんが並んで挨拶された後、主要キャストは一人ずつ真ん中に出て挨拶をするのだけど、主要キャストの一番手でひろちゃんが出て来た時に、拍手が一段と大きくなって、その音と、ひろちゃんの顔中に広がる笑顔と、明るい板の上と、きれいなお辞儀、全部があまりにもうれしくて、宝物のような光景だった。あの拍手の音は忘れられない。よかったね、おめでとう。短くともすばらしい日々の中で、ひろちゃんがたくさんのものを手にできますようにと、最後まで怪我無く病気無く走り抜けられることを心から祈っています。
って今日のマチネのカーテンコールですっ転んだらしいけど!笑 気をつけて!